コラム

祝!本コラムも4年目に突入です。

こんにちは。

最近、早朝の最低気温が10℃を切ってきました。

私は寒がりなので、早くもマフラーを着用するようになりました。

持論ですが、首の後ろを冷やさずに、また喉がいがらっぽくなってきたら直ぐにイソジンもしくは明治うがい薬でうがいをすれば99%の風邪は防げると思います。

 

アメリカの大統領選は悪夢のような結果になりました。20161111_01

今回はBrexit同様、マスコミの報道がいかに正確でないという現実を露呈することとなりました。

そもそも情報をコントロールするための存在ですから仕方がないのでしょう。

選挙結果の詳細な分析は各論客にまかせますが、以前は二極化というと黒人やヒスパニック系の人々が象徴になっておりましたが、今回は白人の貧困層が改めてクローズアップされ、彼らがトランプの根強い支持層の一つになっていたのは、この国の複雑な現実を改めて認識するきっかけとなりました。

アメリカ人は、本当の意味での「チェインジ」を選んでしまったのですね。

カナダの移民局の情報提供サイトが一時ダウンしたとかで、影響の大きさがうかがえます。

 

先日NHKで「爆笑問題」が『資本主義の未来』という番組で、最近の資本主義の現状を分かりやすく解説していましたが、一番私の関心を引いたのは、国の財政収入とグローバル企業の売上を一同に金額順で並べた表でした。

税収と企業の売上を単純に比較して良いのか?と少し違和感があるものの、企業のトップは当然のことながらウォルマートで全体の10位、4,821億ドル。

超巨大な小売業なので売り上げが多めに出てしまいますが、ランキング11位のスペイン(の税収)を上回ります。

以下、ステート・グリッド(国家電網公司)、チャイナ・ナショナル・ペトロリアム(中国石油天然気集団公司)、シノペック(中国石油化工集団公司)…と中国企業が続きます。

ランキング100位の中に何とグローバル企業が70社も入っているのですよ!

 

グローバル企業の売上が伸びていくのは自由競争であるから仕方がないものの、問題はランキング25位のアップルなど超高収益企業が、収入を低税率国家(法人税12・5%)であるアイルランドのペーパーカンパニーに移転して租税回避していることです。

アメリカの議会公聴会に呼ばれたCEOのティム・クックは「現状のアメリカの税率は高すぎるし、税金は法に則って納税しており、合法である」とのたまう。

ところが、EUの指摘によると税金を圧縮させて、実際に支払っている税率は何と0.005%らしいのです。

資本主義の建前上、株主の利益を最大にするという大義名分は分かるのですが、これだけの租税回避をされると、国家が税収を恵まれない人々に再分配するという重要な役目が果たせなくなってしまい、先ほどの二極化の状況を更に助長することになってしまいます。

 

昨年の2月17日にピケティの『21世紀の資本論』を引き合いにこのコラムでも書きましたが、二極化が行き過ぎると必ず「ガラガラポン」が起こるわけで、超大手のグローバル企業の経営者はイソップ物語の「犬と水に映った影」の話(肉屋で骨を与えてもらった犬が帰宅途中に橋を渡っている途中で水面に映る自分の姿を見て、もう一匹の犬から骨を奪おうとして吠えたはずみに骨を落としてしまったという欲張りを戒める話)を読んでいないのか、はたまた難しい本の読みすぎで内容を忘れてしまったのかもしれませんね。

 

20161111_02税金を支払わないだけならまだしも、グローバル企業が国家を訴えるケースが多発していて、109ヶ国で700件の訴訟が起こっているそうです。

番組では、エクアドルとアメリカの石油メーカー・シェブロンとの係争案件で、シェブロン社がエクアドルでの原油開発を撤退したことに伴う地域住民の健康被害への賠償をどちらが負担するかという例を挙げていましたが、賠償額はエクアドルの国家予算の何と三分の一にあたる1兆円です。

こんな規模の訴訟が多発したら、たまったものではないですよね。

この訴訟の根拠の一つになっているのが、企業が海外に進出する際に進出先の国家と締結するISD条項という協定で、相手国の対応によって計画通りにビジネスが進まなくなった場合に、企業が損失の補償を求めて裁判ができるという条項です。

実はこれ、現在国会で審議されているTPPでも同様の条項が含まれているのですよね。

何でそんな大事な法案を急いでいたのでしょうか?

でも、トランプ大統領で一気に白紙になってしまったからもう関係ないですが。

 

いずれにしても、この二極化はもっと行き過ぎないと是正されてこないのではないかとも思うのですが、皆様はいかがお考えでしょうか?

アメリカの新大統領が、上手く立ち回ってくれることを祈ります。

担当コンサルタント

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    岡田 英行

    メインのキャリアは大手日系・外資系投資銀行における10年に及ぶ円金利商品の金融法人向けセールス。その他、リテールセールス、キャピタルマーケット、不動産証券化、ヘッジファンドなど金融における幅広い実務経験を有する。ご本人にとっての転職の是非を含め最善の道をご提示します。いただいた求人案件も、本当に良い案件なのか吟味してから良い点、そうでない点を整理してご紹介しております。

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