コラム

熊本の地震から江戸時代を偲ぶ

朝の出勤が気持ち良い季節になってきましたが、いかがお過ごしですか?

前回は、オフィスの引っ越しの話をしましたが、私は東急大井町線での通勤になり、今までとは全く異なるルートになり、どのようなスタイルが心地よいのか色々試している段階です。

基本「家飲み」が主体なので、途中下車して飲むことはあまりいたしませんが、大井町という場所がどうしても呑兵衛の私には気になり、今後少し開拓してみようと思っております。

どこか良い店があればご教示ください。

 

ところで、熊本の地震は本当に突然で大変な被害でしたね。
亡くなった方の関係者にはお悔やみを申し上げます。

 

熊本で大地震というのが、自分の記憶に無かったため過去の記録を遡ってみると、直近では、1975年1月に阿蘇山の近辺でM6.1の大地震があったのですが、幸いにも亡くなった方は出ていなかったようです。

熊本中心の地震は、江戸の初期から今回を含めて7回大きな地震があったようです。

400年間に7回ですから、当然常に警戒する頻度でも無く、地元の方は本当に驚かれたと思います。

 

以前のオフィスの近くということで日比谷図書館に通っていた頃に「江戸時代年鑑」(雄山閣 遠藤元男 著)という本が目に留まり読んだことがあります。

この本は、1590年から1867年までの生活史年表で1年ごとに時勢・世相・流行・生活・宗教・芸能・娯楽・産業・交通などの項目が列挙されており、教科書とはまた異なった江戸時代観を知ることにより、生々しい生活感を実感できます。

原典は徳川実記、続徳川実記、御触書、禁令などのようです。20160426_001

 

まず、読んだ感想としては「災害史」と呼んで良いくらい毎年毎年、これでもかというくらい災害が起こっていることに驚きました。

地震、噴火、水害、大火事、飢饉の連続で、よくこれだけの災害が起こりつつ徳川幕府が政権を保つことができたな、というのが率直な感想です。

 

例えば地震です。

江戸時代に一番地震が多かった場所は?というと、大体「江戸」と答えられると思います。

江戸を震源とする記録された地震だけで45回はあり、そのうち大地震は21回でした。

では、二番目はどこだと思われますか?これが私は意外でした。

ダントツで「京都」だったのです。

京都はなんと39回!で、大地震も9回あったそうです。

それを考えると、最近の京都は少し震源地という意味でフィーチャーされていないのが、不気味といえば不気味です。

また、東照宮があるのでしっかりと計測されているのかもしれませんが、日光での地震の数が越後・信濃の8回に次いで多い7回(うち大地震 3回)というのもやや気になりました。

1630年の江戸の大地震の時には、光るものが空を飛行していて、その音がすさまじかったという変わった記録もありましたが、果たして何だったのでしょうかね?

 

と言っても、のべつ幕なしに地震が起きているというわけでもなく、当然のことながら多い時期と少ない時期とに分かれています。

17世紀はほぼ毎年のように、江戸・京都など、どこかで大きな地震がおきているのですが(トータル 95回、うち大地震 52回)、18世紀になると突然凪のように数が減り(トータル 31回、うち大地震 22回)、19世紀に入ると再び増える傾向にあります。(67年間でトータル 45回、うち大地震 33回)

 

一方、噴火はというと、これもかなり活発でした。

江戸時代全体で記録されている噴火は全部で114回でした。

1位は大体想像が付くかもしれませんが、浅間山で35回!です。

特に1783年の大噴火は火砕流が発生して吾妻川に流れ込み、川を一時的に堰き止め、その後決壊して利根川にまで押し寄せ1,600名以上の方が亡くなったようです。

 

本家本元の富士山は江戸時代に記録されているだけで5回も噴火しており、うち一番大きな噴火は1707年の有名な宝永大噴火です。

これは、1706年からの関東及び全国的な大地震及び浅間山の噴火とセットで、綱吉の政治の末期の頃でした。

萩原重秀の銀貨の改鋳(銀の含有分を50%減らす)という超インフレ政策や長年の生類憐みの令などで庶民の文治政治に対する不満が爆発寸前の上に全国的な洪水の被害もあり、人々がどのような気持ちで生活していたのかは計り知れないものがあります。

自分がこの時代に生きていたらかなり気分が滅入っていたのではないか?と思います。

因みに赤穂浪士の討ち入りが1703年なので、庶民のやりきれない気持ちが人気に拍車をかけたのかもしれませんね。

 

ということで、江戸時代の世相にご興味のある方は一度手に取ってパラパラとめくっていただいてはいかがでしょうか?

因みに私は中古本で購入してしまいました。なんせ定価が5,000円するもので。

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    岡田 英行

    メインのキャリアは大手日系・外資系投資銀行における10年に及ぶ円金利商品の金融法人向けセールス。その他、リテールセールス、キャピタルマーケット、不動産証券化、ヘッジファンドなど金融における幅広い実務経験を有する。ご本人にとっての転職の是非を含め最善の道をご提示します。いただいた求人案件も、本当に良い案件なのか吟味してから良い点、そうでない点を整理してご紹介しております。

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