最期の電話最期の電話

コラム

最期の電話

2017.09.28

先月の末(8月30日)、オフィスで仕事中に携帯電話が鳴ったので、出てみると小学校3年生から学習塾(寺子屋のような)でお世話になっていた先生(女性)からでした。

先生から電話をいただくのはほとんど20年ぶりのことで何事かと思って話を聞くと、「これから鷺宮の事務所に伺いますので、宜しくお願いします。」という内容でした。
以前ご本人には私が人材紹介をやっていることはお伝えしていたもの、事務所の場所まではお伝えしていなかったので、先生の勘違いかと思い、

tel_03私「先生。お越しになるのは結構なのですけど、私のオフィスは今、田町ですよ。」
先生「あらそう?おかしいわね。」
私「先生。僕、岡田ですよ」
先生「岡田さん?誰かしら?」
私「塾でお世話になっていた岡田英行ですよ。」
先生「あらそう。○○さんじゃないのね。」
と電話が切れました・・・・・

大正12年生まれの94歳なので、さすがに少し痴呆が入られたのかと思いました。
丁度1年前に自宅にお伺いした時は、足腰が動きづらくなったものの、相変わらずシャープな頭の切れを随所に見せる会話をされていたので、安心していたのですが。

実は、2歳上の姉も同じ塾に通っていて私以上に密な付き合いをしていた(義理の兄が先生の主治医)ので、先ほどの状況を話すと、今年になって老人ホームに入られたそうで、それを機に少し痴呆が進んでいるようでした。
それに加えて、内臓の調子があまり良くなくて、腹痛もひどいようなので早めに会いに行った方が良いのではないか?と言われ、いつ伺おうかと思っていたところ、9月4日に姉からメールが来て、昨日亡くなったとの連絡が入りました。

偶然に取った電話が先生との最期の会話になりました。
今から思うと、勘の鋭い方だったのでご自分の死期を悟り遺言か何かを弁護士に託そうとされていたのではないではなかったのでしょうか?
お通夜に伺いご尊顔を拝見しましたが、とてもきれいな顔で、大往生と言っても良い最期だったと思います。

 

先生に初めてお会いしたのが10歳でしたので、ほぼ45年のお付き合いでした。

スパルタ式の本当に厳しい塾で、先生は勘が鋭く生徒が嘘でもつこうものなら、たちまち見破って皆の前で叱責されるので、生まれて初めて出会った「恐い人」でしたが、一方でとても人情味があり面倒見の良い先生でした。
実際に塾で習ったのは中学3年まででしたが、大学時代は講師としてお手伝いも致しました。
また、ご長女(塾では私の英語の先生)が腕利きの板前さんと結婚されて、六本木でも著名人が通う名割烹を営んでいらっしゃるので、社会人になってからは接待などでお邪魔することもありました。

一番の思い出(悪夢)として残っているのは、山一證券に入った時に、「入社祝いに何か株式でも買ってあげる」と言われ、断れば良かったのですが、色々ノルマも厳しい時代であったこともあり、上場後のNTTを買っていただいたのですが、これがいけませんでした。
購入のタイミングが、天井を付けた後だったため、上値は重く買値を中々上回らず、そのうちバブルがはじけて含み損になり、結局買値の半値で売ることになり高級車1台分の損失が出て、先生の信頼も裏切ってしまい、その後『先生を囲む会』でお会いすると必ず、「岡田君には本当にひどい目にあったわ。」と20年位言われ続けました。
さすがに最後の頃には「お約束の笑い話」にはなりましたが、恩を仇で返すとはこのことです。

それで、罪滅ぼしの意味もあって、六本木のお店に顔を出していたわけなのです。
しかし、この出来事は、私が二度とリテール営業をやらないと誓ったきっかけにもなりました。

 

study_02私は全く違いますが、地元の秀才がこぞって集まっていた学習塾だったので何人も頭の良い子どもを育てあげた先生が口癖のように言ってらっしゃったのは、「頭の良い子供の母親は必ず頭(地頭)が良い。」ということでした。
要は父親が優秀なだけではダメだということです(むしろあまり関係ない)。

年に何回か個人面談をやっていて、何人もの父母と直接話をしていたので、膨大なデータがご自分の頭の中にできあがっていたのでしょう。
母親のDNAの影響なのか、普段接する機会が母親の方が多いからどうかは分かりませんが、今でも私の中では定説化しております。

 

私は前述の通り不義理なままでお別れになってしまいましたが、今やっている仕事もある意味お世話になった先生の影響を受けているのかもしれません。
相手が、子供なのか社会人なのかの違いなのでしょう。

最近人材業界では一番危惧していたことが現実化してきて、前にもましてエージェントの生き残り競争が激化しておりますが、振り飛ばされずにしっかりとコンサルティングをしていくことが、先生への恩返しであると勝手に思っております。

皆様には、忘れられない師匠はいらっしゃいますか?

 

ところで、金融業界においてはメガバンクが、金融規制や業態のグローバル化、フィンテックの進展の影響を受けて案件の濃淡が明確化しているようです。

国際情勢によるマネーロンダリング規制や、グローバル化に伴う海外拠点監査、フィンテック企画などに旺盛な需要が発生しているようです。

・36820 海外コンプライアンス管理
・36819 グローバル監査企画
・35844 デジタル企画部

岡田 英行

岡田 英行

専門分野証券

メインのキャリアは大手日系・外資系投資銀行における10年に及ぶ円金利商品の金融法人向けセールス。
その他、リテールセールス、キャピタルマーケット、不動産証券化、ヘッジファンドなど金融における幅広い実務経験を有する。
ご本人にとっての転職の是非を含め最善の道をご提示します。

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