コラム

かの国のこと

Brexitがきっかけということではないですが、ここ最近はきな臭い話が増えてまいりました。

フランスのニースでのトラック突入テロ。
ドイツ南部のビュルツブルクでの列車内で斧を振り回すテロ。

両方とも単独犯というのが深刻ですね。

それに加えてオランダハーグ常設仲裁裁判所での中国の南シナ海領有権主張無効の判決及び中国政府の意に介さないという趣旨のコメント及び言動。

 

我々が属する東アジアは特に中国の傍若無人の軍事行動に今後ますます神経を尖らせなくてはならなくなってきました。

どうしてこのようになったのでしょうか?

習近平氏が国家主席になってから特に行動が顕著になってきましたよね。

最近「パックス・チャイナ 中華帝国の野望」(近藤大介 著 講談社現代新書)を読みましたが、この本には習近平氏が国家主席についた頃からの外交・内政の歩みを客観的に記載してあり、読めば読むほど中国が本気だということが良くわかります。

 

20160721

「パックス・チャイナ 中華帝国の野望」/近藤大介 著/講談社現代新書

習主席の主張というのは、簡潔に言うならば

(1) 1840年のアヘン戦争前の冊封体制(中国という宗主国と周辺の属国からなる緩やかな主従関係)に戻す。

(2) 一帯一路計画(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)
※陸上と海上のインフラ整備を主導して中国の生産過剰を打破し、周辺国を従属させようという経済政策。AIIB(アジアインフラ投資銀行)もその一環。

ということです。

 

習主席の尊敬する人物は3人いて、一人は父親の習仲薫氏。

1930年代に抗日戦争に加わり、周恩来の側近として頭角を現すが、失脚し文化大革命で辛酸を舐めたものの鄧小平時代に復権した人物。

もう一人が「建国の父」毛沢東元主席で、彼の崇拝の対象となっています。

最後の一人がプーチン大統領で、権力基盤のないところに独裁的な権力を現出した自分自身の目標となっています。

どうもこの方は、従来の国家主席よりも皇帝として見た方が考え方を理解しやすいようです。

 

習主席は1988年から02年まで福建省廈門市の党委常務委員と軍職を兼務しており、その際に軍事問題の師匠である現中国海軍の呉勝利司令員(官)と出会います。

因みに呉勝利の父親・呉憲は、抗日運動の活動家から共産党軍の幹部になった履歴を持つ人物で、呉勝利はその父親から反日教育を受けて育ちました。

 

その呉勝利の持論が第一列島線(カムチャッカ半島~千島列島~日本列島~台湾~フィリピン~大スンダ列島(スマトラ島、ジャワ島、カリマンタン島、スラウェシ島))をつなぐ線の中国大陸側を中国海軍が自らの内海としなければ「中国の時代」は来ないということです。

アヘン戦争と日清戦争によりこのラインが突破されたので、それ以前の状態に戻したいのでしょう。

 

しかし、考えてみるに清はもともと中国東北地方の女真族が統治していた国で、現在の中華人民共和国とは民族も異なりますし、債権債務も継承していないはずなので論理的に矛盾していると思うのは私だけでしょうか?

まあ、話が通じない国家なので意味のない議論ではありますが。

 

第一列島線の主要なパーツとして東シナ海と南シナ海がありますが、東シナ海はアメリカの第七艦隊が控えているため、米軍の手薄な南シナ海を狙い岩礁の埋め立てが始まったということから、今回の裁判になったというわけです。

ただ、そうはいっても尖閣諸島における領空侵犯や領海侵犯などが頻繁に起こるようになり、東シナ海も予断を許さない状態になっています。

尖閣諸島での米軍のスタンスをリトマス試験紙のように執拗に確認する中国人民解放軍の行動を見ていれば一目瞭然であります。

 

それに輪を掛けて話を複雑にしているのが、中国の言うことさえも全く聞かない北朝鮮の核開発問題ですが、今年2月7日の北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射を機に、THAADミサイル(中国も射程圏に入る)の配備で韓国が再び中国と距離を置いてくれたのは非常に心強いです。

第二次世界大戦では、我が国がアジアで孤立の戦いをしていましたが、今回はむしろ中国の方ではないでしょうか?

 

我々の仕事上で一番気になるのは、自衛隊の幹部クラスの転職サイトへの登録が、とみに増えてきていることであります。

現場で機密情報に触れているからこその危機感の表れなのでしょうか?

特に海上自衛隊の方の登録が目につきます。

 

一方金融では、6月は本当に人材が出てこなくて苦戦しておりましたが、最近かなり優秀な候補者の方が散見されるようになりました。

 

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    岡田 英行

    メインのキャリアは大手日系・外資系投資銀行における10年に及ぶ円金利商品の金融法人向けセールス。その他、リテールセールス、キャピタルマーケット、不動産証券化、ヘッジファンドなど金融における幅広い実務経験を有する。ご本人にとっての転職の是非を含め最善の道をご提示します。いただいた求人案件も、本当に良い案件なのか吟味してから良い点、そうでない点を整理してご紹介しております。

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