バブル景気の頃、そして大ニュース~輸入自動車私的今昔物語 Vol26バブル景気の頃、そして大ニュース~輸入自動車私的今昔物語 Vol26

コラム

バブル景気の頃、そして大ニュース~輸入自動車私的今昔物語 Vol26

2014.06.27

藤堂 誠 たぶん 一生クルマ屋です

自動車業界を担当する人材コンサルタントです。

私の履歴書・・・の様なもの。 輸入車業界の歴史の一端を語ります。

ダイムラーとベンツが発表した第1号自動車の本物が展示されているのは、かのメルセデス・ベンツ博物館ではなく、ミュンヘンにあるドイツ博物館(Deutsches Museum)。

ここは農業、鉱業、航空工学から、鉄道、機械、宇宙に至るまで、ドイツの科学技術を若い世代に引き継ぎ、学ばせるための博物館。

技術・科学分野の博物館として世界一と称される、すばらしい施設です。

その殆どが実際に触れて体験できる様になっており、ちゃんと見学すれば数日は要するだろうと言われる広大な規模です。

Deutsche Museume
自動車、船、飛行機(飛行船)、宇宙開発・・・マニアの方が行けば、それこそ何日も居続けをしたくなるような博物館です。

マニア的な興味のない人でもその迫力には圧倒され感動する事請け合いです。

ドイツ旅行の際にはイチオシの観光スポットです!(私は旅行社の回し者ではありません・・・)

そこに、1886年製のダイムラー1号とベンツ1号の本物が静かに展示されていました。

3wheeleratDeutscheMusesume

メルセデス・ベンツの歴史と未来を展示してブランドイメージアップを図っている自社博物館にはレプリカ(複製)。

 本物は国立ではありますが別の博物館に展示する。

ドイツ人の、メルセデス・ベンツの懐の深さを感じます。

さて、日本ではいよいよ世に言うバブル経済期が訪れようとしています。

メルセデス・ベンツをはじめとする輸入車マーケットも活況を呈し、大きく販売台数が伸びた時期です。

ヤナセから輸入権を奪取(?)したメルセデス・ベンツ日本が発足すると同時に、メルセデスの売上も急上昇。

バブルの最中に発表された3代目のSクラス(W/V140)の最高峰、600SELは何と2千万円を超える価格設定がされ、また、それが一番のベストセラーモデルとなるという異常事態!

メルセデス・ベンツ日本は勿論、ヤナセも強気の販売計画を立て、高額車を中心に何度も追加生産をドイツの工場に要請し、それが受け入れられ、増産増産。

その時点でメルセデスビジネスに10年以上携わっていた私には、少し不安がありました。

w140
過去、メルセデスに増産要請をしても満額回答を得た事は一度もありません。

常に需要より少なめの生産計画を立て、市場に品薄感を漂わせながら”良い”商売をするのがメルセデスのやり方だった筈です。

それが販売側の要求を100%受入れる状況に違和感を感じます。

考えられる理由は二つ。

一つはメルセデスのビジネス方針を変化させ、量販体制への移行の始まり、
又は日本以外の国(特にヨーロッパ)からの需要が低く、世界的には販売が順調でない。

後年判明する事ですが、実は、この二つの仮説はどちらも事実でした。

この頃からメルセデスは変貌し、需要を上回る生産体制に突入していきます。

そしてヤナセにはとつてもない大きな出来事が持ち上がります。

ビジネス上メルセデスと並ぶもう一つの柱、いや、全国規模でみればヤナセの代名詞とも言えるフォルクスワーゲン(含むアウディ)の販売を止めるというビッグニュース!

世間も驚いたでしょうけれど、一番驚いたのはヤナセの社員たち!!!