星に込められた思い。そしてその故郷の街~輸入自動車私的今昔物語 Vol 25星に込められた思い。そしてその故郷の街~輸入自動車私的今昔物語 Vol 25

コラム

星に込められた思い。そしてその故郷の街~輸入自動車私的今昔物語 Vol 25

2014.06.05

藤堂 誠 たぶん 一生クルマ屋です

自動車業界を担当する人材コンサルタントです。

私の履歴書・・・の様なもの。 輸入車業界の歴史の一端を語ります。

1988年に立ち上がったメルセデス・ベンツの新しい販売チャネルに名付けられた冠は「シュテルン」。

英語にすると「スター」。そうです。「星」です。

メルセデス・ベンツ日本、悲願の新(非ヤナセ)販売チャネル。

それに「星」の名を与える事は、彼らがいかに新販売チャネルに期待を込めていたかが伺いしれます。

なぜならば、メルセデス・ベンツにとって「星」は重要なワードだからです。

メルセデス・ベンツのボンネットの先端(車種によってはフロントグリルの正面)に燦然と光り輝く有名なマーク。

3pointed star.jpg

あのシンボルマークを「Three Pointed Star」と呼びます。

直訳すると「3点を指し示す星」とでもなりましょうか。

ゴットリーブダイムラーが陸、海、空、すべての交通機関にダイムラー製品を・・・そんな思いを込めたシンプルながら鮮やかで力強いマーク。

星のマークはメルセデス・ベンツの目指す目標でもあるのです。

メルセデス・ベンツの故郷はドイツ南西部 Stuttgart市。

以前ご紹介した通りこの街の中央駅の屋上に星のマークが大きく輝いています。(このコラムの第16回)

この星のマークこそメルセデス・ベンツの象徴です。

その星が輝く街 Stuttgart。

ここは、PorscheやBoschの本社もある自動車の都。

一般的に「自動車の都」と聞くとアメリカのデトロイトを思い出す人が多いかもしれませんが、欧州車好きにとってStuttgartもまた「自動車の都」。

sindelfingen plant.jpg

メルセデス・ベンツを目指して同市を訪れる場合、主な訪問先は二つ。

一つは近隣Sindelfingen(ジンデルフィンゲン)にある同社のメイン工場。

メルセデス・ベンツの買い方の一つに、ユーザーがディーラーを通さずにSindelfingen工場で直接新車を受け取る方法があります。

ユーザーは工場に隣接している「Car Delivery Center」を訪問して、残金支払など必要な手続きを行って、待つこと小一時間。

待ちに待った新車が工場の最終ラインから出荷され、キーを渡されてそのままアウトバーンに・・・メルセデスファンなら一度はやってみたい贅沢な買い方です。

(ドイツの場合、登録手続きが簡単な為、工場出荷と同時にナンバーが取得できます。日本ではちょっと無理)

sindelfingen car delivery center.jpg

新車が出てくるまで待っているその時間も飽きさせません。

工場の生産ラインを見学できます。ミニシアターがあって会社紹介の映画を見る事ができます。

お土産屋さんもあり、勿論軽食や飲み物を取れる施設も。

で、新車ユーザーでなくても一般の観光客の方もここを訪れて、工場の中の見学などを楽しむ事が出来ます。

結構奥まったところまで案内してくれる楽しい工場見学(彼らの呼び方はFactory tour)です。

MBmuseume.jpg

もう一つの目玉は本社の敷地内にあるメルセデス・ベンツ博物館

メルセデス・ベンツの歴史は自動車の歴史だと感じさせるすばらしい博物館。

最上階から螺旋状に降りながら見学。 フロアによって分断される事のない斬新な展示方法。

昭和天皇の御料車も展示されています。石原裕次郎さんが載っていたあの名車も。

世界初のガソリン自動車から未来のクルマまで。

それほど自動車に興味の無い人でも感動する事間違いなしの素晴らしい博物館です。

私は2006年に改装される前の旧館に通算で5回程訪問していますが、その都度発見がありました。

inside museume.jpg

同行の人に何が一番良かった?と聞くと、殆どの人が「ダイムラーとベンツが1886年に発表した世界最初の自動車の現物を見られた事!」と言います。

そうでしょう。

130年ほど前の第一号自動車の本物を見られるのですから感動!

いえ、ごめんなさい。

メルセデス・ベンツ博物館に展示しているのは本物ではないんです。

あとから複製した、いわゆるレプリカです。

え???? じゃぁ本物はないの?

実は本物は・・・別の場所にあるのです・・・